乗り出して10年になるPCX(JF56)のシートが各所に切れ目や穴が空いてしまったので、張り替えてみました!
古いシートには何箇所か切れ目や穴があり、上から補修シートを貼ってなんとか凌いでいました。
中央部の切れ目が最近大きく広がってしまい、張り替えるしかない状況に。
バイクショップやシート専門業者に頼むこともできるようですが、工賃や預ける期間の問題から、今回はDIYで行ってみました。
シート張替えのために準備したもの
シート張替えのために、以下のものを準備しました。
値段が書いてあるもの以外は既に持っていた物を使用しているので、新たな購入品は合計約6400円となりました。
ビニールレインコートは100均で購入しましたし、ドライバーやペンチは100均で売っているもので十分だと思います。
交換用シートの準備
交換用シートはNTBからでているPCX(JF56、KF18)互換品を購入しました。
2300円と安価ですが、黒一色の合皮で純正品のような質感で良さそうです。
パッケージに、交換作業の動画のQRコードも貼られていて、今回それを参考に作業していきます。
ただしこのシート、シート裏側の縫い目に防水加工がされていません。
雨が降った際に水が染み込むから防水加工を行ったほうが良いというレビューを見て、それを参考にシリコンシーラント「バスボンドQ」を縫い目に塗って防水処理を行いました。
バスボンドを縫い目の上に隙間ができないよう塗っていきます。
素人作業なので効果があるか疑問ですが、何も対策しないよりは良いかなと。
バスボンドは完全に乾くまで24時間かかるので、シートの準備は事前に行っておきました。
バイクからシートを外す
交換用シートに防水処理をしたら、本格的に張替えの工程となります。
まずは、バイク本体からシートを外します。
JF56のシートはヒンジ部分の上にある4つのナットを外すことで取り外すことができます。
ナットは奥まった位置にあり、普通のスパナなどでは回すことができないので、延長バーのあるソケットレンチを使用しました。
4つのナットを外し、シートをバイク前面に向けて引っ張るとシートが外れます。
タッカーを抜き、古いシートカバーを外す
シートが外せたら、古いシートカバーを外す工程に移ります。
シート裏面を見てみると、シートカバーが大量のステープルで止まっています。
これを、ひたすら抜いていきいます。
ステープルを抜く作業は、かなり力をかけて行うし、抜いたステープルも尖っていて危ないので、手袋をしての作業をオススメします。
ステープルの抜き方は、まずマイナスドライバーでステープルを持ち上げて、持ち上がったところをペンチで引き抜きます。
サビが強い部分などは途中で折れてしまって、シート側に残ってしまうこともあるので抜き残しが無いよう気をつけて作業しました。
ステープルを全て抜き終わったので、古いシートカバーを剥がしていきます。
一部、シートのウレタンとカバーが癒着していて、カバーを剥がす際にウレタンが引きちぎれてしまいました。
この部分はグルーガンで適当にくっつけておきましたが、カバーを剥がす際は気をつけてください。
古いカバーを全て外しました。
長年の使用と空いた穴からの水濡れでかなり汚れてしまっていますが、弾力はしっかりあるし、大きく削れたりはしていないのでまだ使えそうです。
ただ、予想以上に水が染み込んでいて、特に前面に溜まっています。
乾かしてから新しいシートを貼る必要があるので、シートの土台からウレタンだけを外して乾かします。
タオルで吸水してみましたが、かなり水が入っているようなので浴室乾燥機で無理やり乾かすことに。
本来は、日光に当てたりドライヤーなどで乾燥させるとウレタンを痛めるらしいので、オススメはしません。
ウレタンをビニールで包む
ウレタンが乾燥したら防水のために100均で買ったカッパで包み、土台に戻しました。
ビニール袋やラップで包む場合もあるみたいなので、とりあえずビニールで包めればなんでもいいんだと思います。
ただ、これは気休め程度だろうなあと。
大人が乗り降りするシートのしたにこの程度の薄さのビニールだと、摩耗でそのうち破れちゃうと思うんですよねえ。
新しいシートカバーをタッカーで固定していく
そこに新しいカバーを被せ、タッカーを打っていきます。
まずは前後に1本ずつうち、次に左右に1本ずつ、あとはシワを伸ばしながらその中間を留めていき、ある程度シワが伸びたらシートの折り返しの縁にシワができないように全周に渡って留めていくって感じです。
打ち方やシワの伸ばし方は、NTBの公式の動画を参考にしながら作業しています。
ステープルを打ち込むためのタッカーですが、ダイソーで売ってるものを最初は使おうと思いましたが、シートによってはきれいに打ち込めなかったりするようなので、こちらの強力タイプのものを使用しました。
アマゾンレビューにも、バイクのシート張替えで使っている事例がたくさんあり評判が良さそうです。
実際に使ってみましたが、パワーを最大にしてしっかり本体を押し付けながら打つことで、かなりしっかりと打ち込むことができました。
針もシート張替えでよく使われる「T3-6M」というものを使用しています。
PCXのシートにタッカーを打つ際のコツとしては、この2つを意識すると上手くいきました。
・シートをなにかに立てかけて、打ち込む面を水平にすること
・シートのシワを伸ばしたら、ずれないようにタッカーを当て、もう一方の手でタッカー上部にしっかりと押さえて打つ
あとは、シワを伸ばすために仮止めのタッカーはバンバン打って、シワを伸ばしながら決め打ちをしていくと良いと思いました。
また、上手く刺さらなかったタッカーはペンチなどで押し込めば入る場合もありますが、基本的には抜いて打ち直したほうがキレイに仕上がると思いました。
全てタッカーを留めたら、余ったシートがメットインの防水用パッキンに被っている部分があったのでカットしておきました。
これにて、シートの張替えは完了です!
初めてにしては、シワもなくキレイに貼れたと思います。
張り替えたシートをバイクへ取り付ける
張り替えたシートをバイクへ取り付けます。
外した作業の逆で、ソケットレンチを使ってナット4本を留めて完成です!
シートを表面から押さえつけながらナットを回す必要があるんですが、取り外しの作業よりも難しくかったです。
張り替えたシートはこちら。
梱包時の折りジワがありますが、これは乗っていると段々消えていくそうです。
それ以外のシワもなく、黒一色で純正のような雰囲気です。
取り付けてから乗ってみましたが、乗り心地も純正と大差ありませんね。
PCXはシート中央部あたりにシートが浮かぶ箇所があるんですが、座った際にしっかりと皮が伸びて沈み込んでいました。
ボロボロだったシートがキレイになって大変満足です。
価格的にも、工具や手間を考えてもかなりリーズナブルに張り替えられたんじゃないかと思います。
PCXのシートを張り替えてみた感想
今回、PCXののシートを自分で張り替えてみましたが、かなりリーズナルブルに張り替えることができたし、初めての作業にしては仕上がりもキレイにできたので良かったです。
作業の中で大変だったのは、この3点
・古いシートのタッカー抜き
・ウレタンの乾燥
・新しいシートのタッカー打ち
特にシートの乾燥の時間がかかるので、1日で全ての作業を終えるのは厳しいと思いました。
PCX(JF56、KF18)は発売からもう10年経つモデルです。
シートに破れや穴など発生している方も多いと思うので、ご自身での交換も検討されてはいかがでしょうか。
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