箱根・大涌谷の散策路の引率入場へ行って来ました。
大涌谷というと、濃い硫黄の香りに火山ガスで草木の枯れた荒涼とした風景、立ち昇る噴煙と火山らしさが感じられる箱根の中でも特に見所のスポットです。
大涌谷には噴気地帯に散策路がもともとあり、近くで立ち上る噴気を観察したり、名物の「黒たまご」を作っている黒たまご茶屋で黒たまごを購入できたようですが、2015年に起こった水蒸気噴火の影響のため、ずっと封鎖されてきました。
その散策路(自然研究路)ですが、シェルター設置などの安全対策をしたうえで、監視員と供に「引率入場」という形で2022年3月から入場することができるようになりました!
私が箱根に初めて行った2019年以降では遠くで眺めるだけだった散策路にとうとう入場できるということで、早速引率入場に参加してきたので、報告します!
大涌谷自然研究路引率入場へ行って来た
ロープウェイで大涌谷へ
箱根ロープウェイ早雲山駅から大涌谷駅へ向かいます
早雲山駅の近くはこんなにも木々が生い茂っていますが、ロープウェイで山の稜線を越えた瞬間に全く違う荒涼とした景色に変わるのが印象的で、大涌谷へのアクセスはいつもこのルートです。
山の稜線を越えると、火山ガスのため草木1本も生えない、先ほどとは180°違う光景が広がります。
地面からの噴煙もあれば、温泉を作る蒸気井からの噴煙ももくもくとあがっていますね。
ちなみに、大涌谷で作られる温泉は硫黄の香りと白濁した湯で、他の箱根の温泉とは見た目からして全然違います。
体も冷めづらく、体に残る温泉の香りもたまらないので、オススメです。
大涌谷インフォメーションセンターで参加受付
大涌谷へ到着しました。
自然研究路引率入場では、人数が限定されているためネットで事前予約が必要です。
私は月曜に行って、その数日前に予約したんですが、その時点で日曜の予約はいっぱいでした。
日曜や連休など、繁忙期は予約時期に注意です。
そして、予約した指定時刻の20分前までに大涌谷くろたまご館1階にある「大涌谷ジオミュージアム」の手前にある「大涌谷インフォメーションセンター」にて受付と協力金500円の支払いが必要となります。
協力金はキャッシュレス決済のみ対応なので、注意が必要です。
今回雨は降っていませんが、霧が出ていたりと視界が良く無いので、受付の直前まで実施か否かの判断待ちでした。
幸い、視界が開けてきたので実施となりました。
この回以降では雨が降ってきていたので、本当に運が良かったと思います。
受付を済ませたら、自然研究路入り口手前の延命地蔵尊のある場所でヘルメットを受け取り準備完了です。
いざ自然研究路へ
延命地蔵尊の奥にある、普段は封鎖されている入り口から入場していきます!
奥に広がる景色を見るだけで、ワクワクがとまりません。
普段は閉鎖されている場所に行くっていうのも特別感があって良いですよね。
入ってすぐの辺りです。
この辺りの木々は、2015年以前は緑が生い茂っていたそうです。
私は今の景色しか分からないですが、7年でそんなにも景観が変わるのかと、火山のパワーに驚きました。
散策路は階段や坂はありますが、どこも綺麗に整備されているため歩きやすいです。
ちなみに、引率してくれる監視員の方ですが、公式サイトだと「観光ガイドでは無い」とされていて、解説は無さそうな雰囲気で書かれていますが、私が行ったときは専門的なことをしっかり解説してくれてました。
もしもの時のために噴石から身を守るためのシェルターです。
この2号シェルターは屋上が展望台になっています。
かなり霧が出ていたので残念ながら遠方の景色は望めませんでしたが、大涌谷の周りの景色だけでもかなり面白いです。
自然研究路では、入場再開にあたり7つのシェルターが整備されたそうです。
シェルター内には緊急時用のウェットタオルやヘルメットなどが置かれていて、かなり安全に気を配っているのだなと感じました。
こちらは、箱根にも大きな被害を与えた2019年の台風の際の土石流の跡だそうです。
大きな岩や石がゴロゴロと川を形作っていて、土石流の恐ろしさを実感しました。
こういう景色が素のまま残っているのも、この自然研究路の見どころかと思います。
こちらは、2015年の水蒸気噴火の際に研究者が大涌谷を調査する際に使用したシェルターだそうです。
今まで見てきた強固で大きなコンクリート造りのシェルターとは全く違う簡素な造りで、何かあった際この中に避難するのは怖いでしょうねえ。
しばらく歩いて、黒たまごを作っている「たまご蒸し場」へ到着しました。
大涌谷の温泉と蒸気でこのあたりに来るとかなり濃い硫黄の臭いがしています。
黒たまごは大涌谷の温泉で茹でることで旨味成分が普通のゆで卵よりアップしているらしいですね。
私はそんなにゆで卵好きじゃないですが、黒たまごは美味しくて5個すぐ食べれちゃいます(笑)
黒たまご蒸し場の横には、かつて黒たまごを売っていた黒玉子茶屋があります。
この横には、出来た黒たまごを運ぶロープウェイなんかもあったりして、今も卵を蒸す人が待機しているそうです。
かつてはここまで普通に入れて、大涌谷の荒涼とした景色の中で出来立ての黒たまごを食べれたのかと思うと羨ましいです。
しばらくすると、霧が晴れてきて冠ヶ岳が見えてきました。
箱根の山や、地形の成り立ちについては、大涌谷黒たまご館にある「箱根ジオミュージアム」が詳しく知ることができて面白いので、興味のある方はオススメです。
黒たまご茶屋から、冠ヶ岳をバックに記念撮影しました。
ここには、記事のトップに載せた大涌谷の看板もあるので天気が良い日に冠ヶ岳をバックにまた撮りたいですねえ。
冠ヶ岳の右手前には大きな岩もあって、地面からはたくさん噴煙が出ているという大涌谷らしさ満載の風景が楽しめます。
黒たまご茶屋から少し登った場所の展望台から折り返し、帰路につきます。
自然研究路は延長700mを約40分かけて散策するんですが、道中しっかり解説してくれたので、自分だけでただ景色を見て回るのとは全く違って、40分という長時間にもかかわらず、あっという間に感じました。
大涌谷では、硫黄分の多い土地にだけ生える珍しい苔など、火山地帯らしい植物も楽しむことができます。
大涌谷は標高1050mと標高が高いので、4月で春物の上着を着ててもかなり寒かったです。
なので、ロープウェイ大涌谷駅の2階にある「大涌谷駅食堂」でメンチカツカレーを食べました。
観光地で食べるカレーって美味しいですよね。
今回は、歩いた疲れと身体の冷えというスパイスが加わってなおさらでした(笑)
大涌谷自然研究路引率入場に行ってきたまとめ
今回、大涌谷自然研究路引率入場へ行ってきましたが、満足しました。
2015年以降、入れなかった場所に入れるという高揚感、火山らしい荒涼とした風景、圧倒的な硫黄の香り、詳しい解説と40分があっという間でした。
事前予約が必要ですが、それをやってでも行く価値がありますね。
安全対策もかなり気を配っているのが感じられて、もしものことが無いとは言えないですが、特に不安なこともなく周ることができました。
大涌谷の火山の地形や風景を近くで見たい、圧倒的な硫黄の臭いを嗅ぎたいと思ったら、ぜひ行ってみてください!!
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